嬉しい変化 B320『宮大工西岡常一の遺言』(山崎 佑次)
山崎 佑次 (著)彰国社 (2008/3/1) 少し前にふと目についたので読んでみたもの。 そのころたまたま、『木のいのち木のこころ』の聞き書き著者のイベントに参加したこともあって、これも読んでみた。 西岡 常一 (著), 小川 三夫 (著...
二拠点生活で探していたもの B319『生命と学びの哲学:育児と保育・教育をつなぐ』(久保健太)
これまで建築について考えていたこととシンクロする部分も多く、面白く読めました。自分の2拠点生活の経験をもとに著者の哲学に迫ります。
葛藤のダイナミクスとモデル B318『響きあういのちの躍動: 子どもに学んだ和光の保育 葛藤編』(鈴木 秀弘,森 眞理)
先日読んだ和光の保育に関する葛藤編。さまざまなものが平坦化してきた現代社会においてこそ、環境と関わるダイナミクスの中に身を投じて、それを楽しみに変え、あるいはそこからリズムを見出すようなスキルこそ必要。
放って置いてくれ B317『私の脳はなぜ虫が好きか?』(養老 孟司)
世の中で、変わった人、もしくはマトモな人に虫好きが多いのはなぜなのか?著者の思想を追いながら隠れたメッセージは何かを考えてみます。
やっぱり園舎の設計がしたい その2 B316『育ちあいの場づくり論: 子どもに学んだ和光の保育 希望編』(鈴木 まひろ, 久保 健太)
前回に引き続き、和光の園舎から学ぶべきことを設計者の視点からまとめます。
やっぱり園舎の設計がしたい その1 B316『育ちあいの場づくり論: 子どもに学んだ和光の保育 希望編』(鈴木 まひろ, 久保 健太)
和光保育園の思想を紹介する本です。園長の鈴木まひろ氏が様々な葛藤を抱えながら試行錯誤を繰り返したそのプロセス自体にこそ価値があります。(前編)
探索環境保障理論と個性 B315『私たちのまちの園になる: 地域と共にある園をつくる』(松本 理寿輝,秋田 喜代美)
「まちの保育園」代表の松本氏の考え方をもとに、探索環境保障理論と個性ということを考えてみます。
出会いの機会を拡げていく B314『まち保育のススメ ―おさんぽ・多世代交流・地域交流・防災・まちづくり』(三輪 律江, 尾木 まり他)
三輪 律江 (著), 尾木 まり (著)他萌文社; A4版変型 (2017/5/5) やっぱり保育関連施設の設計は思いっきりやってみたい、ということで、4,5年前にやっていた、保育施設関連シリーズを再開してみます。 まずは、当時読んだまま、...
本来性から運命性への転回 B313『暇と退屈の倫理学』(國分 功一郎)
なぜ、ひとは退屈という宿命を負ったのか、千葉雅也のセンスとリズムの関係とともに考察。本来性の罠から逃れる方法とは。
人間と動物の差異とは何か B312『生物から見た世界』(ユクスキュル)
ユクスキュルの主著を通じて、『暇と退屈の倫理学』における環世界の取り扱いについて考察し、人間と動物の違いを導く。
生きることとリズム B311『センスの哲学』(千葉 雅也)
センスとは何か。センスの裏にあるリズム論から、建築や自然とリズムの関係をティモシー・モートンなどをひいて考察する。
純粋形態としての卵 B310『宇宙船地球号 操縦マニュアル』(バックミンスター・フラー)
これまであまり関心を持てていなかったが、フラーの可能性とは何か。その純粋性の限界と可能性について。
ロゴスとピュシス B309『ナチュラリスト:生命を愛でる人』(福岡 伸一)
著者はなぜ、自身の研究室を閉じようとしたのか。ロゴスとピュシス、メンターの存在などをもとに考える。
サービスからツールへ B308『 How is Life? ――地球と生きるためのデザイン』(塚本由晴,千葉 学,セン・クアン)
どんな道具やスキルを身につけるかは、環境に対する姿勢そのものを示す。サービスからツールへの転換の本質的な意味とは。
イメージの更新 B307『分解の哲学 ―腐敗と発酵をめぐる思考』(藤原辰史)
分解を作用として捉える視点の重要性と、建築における分解の可能性について。
可能性の表現 B306『人類堆肥化計画』(東 千茅)
悦びを表現するためにこそ、偽悪的な表現を。環境と言う言葉にまとわりつく、寡欲・清貧なイメージの限界を超えるための論考。
生命との応答実践 B305『よくわかる イネの生理と栽培』(農山漁村文化協会)
稲の栽培に関する科学的原理が、光合成やアピカルドミナンシーといった点で、これまでの関心と結びついたことなど。
想像力を再構成する B304『菌類が世界を救う ; キノコ・カビ・酵母たちの驚異の能力』(マーリン・シェルドレイク)
菌類の世界は知らなかったことばかりだ。菌類は、世界をあるがままに捉えるためにはどういうスタンスが必要か、のヒントを与えてくれる。
色鮮やかな想像力 B303『マザーツリー 森に隠された「知性」をめぐる冒険』(スザンヌ・シマード)
土の中のことはよく分からないし、これまで怪しく感じる話もあった。本書は、そんな話にも確かなエビデンスがあることや、経験に基づく想像力の重要性について教えてくれる。
いつかの自分の背中 B302『トラッカー: インディアンの聖なるサバイバル術』(トム ブラウン ジュニア)
少年の頃に出会いたかった本。その感情を自分なりに消化することが大人としての責任ではないか。
開かれているということ B301『生きていること』(ティム インゴルド)
ラインとメッシュワークの概念は自分の中で重要な位置を占めることになりそう。アニミズムを自分の言葉に置き換えられる手応えも。
探索者であること B300『トイレの話をしよう 〜世界65億人が抱える大問題』(ローズ ジョージ)
ローズ ジョージ (著), 大沢 章子 (翻訳)NHK出版 (2009/9/26) 環境を意識しだしてから、なかなか読む勇気が持てなかった最後の砦、トイレ問題。 いつかは目を向けなければいけないと、重い腰を上げて読んでみた。 本書は装丁から...
流れの宿命を引き受けるには B299『生物と無生物のあいだ』(福岡 伸一)
福岡 伸一 (著)講談社 (2007/5/18) てっきり読んだものと思い込んでいたけれども、未読だった。(読んだ内容を忘れてるのかとも考えたけれど、前回のシュレーディンガーについても本書に詳しく書かれていたのでやはり読んでいなかったようだ...
建築において遺伝子に相当するものは何か B298『生命とは何か: 物理的にみた生細胞』(シュレーディンガー)
シュレーディンガー (著), 岡 小天 (翻訳), 鎮目 恭夫 (翻訳)岩波書店 (2008/5/16) 本書は1943年にダブリンの高級学術研究で行われた講演をもとに出版されたもの。日本語の翻訳版は1951年、1975年、2008年と三度...
選択の幅を拡げ持っておく B297『テクテクノロジ-革命: 非電化とスロ-ビジネスが未来をひらく』(藤村 靖之)
藤村 靖之 (著), 辻 信一 (著)大月書店 (2008/9/1) 少々古い本だけども、著者の考え方に触れるための一冊目として読んでみた。 選択の幅を広げ持っておく 辻氏の、実際に破綻するまでほとんどの人は動かないけど、行き着くとこまで行...
農的暮らしという未来 B296『地球再生型生活記 ー土を作り、いのちを巡らす、パーマカルチャーライフデザイン』(四井真治)
四井真治 (著)アノニマ・スタジオ (2023/10/6) 前回の本で著者のことが紹介されていて、以前から興味もあったので購入してみた。 気持ちとしては技術書のようなものを期待していたけれども、どちらかというと思想に関わるものだった。しかし...
遠回りも無駄ではなかった B295『線(せん)と管(かん)をつながない 好文×全作の小屋づくり』(中村 好文,吉田 全作)
中村 好文 (著), 吉田 全作 (著)PHP研究所 (2022/6/20) この本は発売してすぐに購入していたけれども、まだ読むタイミングではない気がして、ずっとそのままにしていたもの。 そろそろ、読んでも良いタイミングかと思い手に取って...
生命、循環とエントロピー B294『エントロピーから読み解く生物学: めぐりめぐむ わきあがる生命』(佐藤 直樹)
佐藤 直樹 (著)裳華房 (2012/5/20) 循環をエントロピーの視点から捉えたかったのと、生物の循環に対するシステムに大きなヒントがあるはずと考えていたため、本屋で関連がありそうな本を探して見つけたもの。 しかし、本書を読んで分かった...
車輪の再発明とリアリティ B293『空想の補助線――幾何学、折り紙、ときどき宇宙』(前川淳)
前川淳 (著)みすず書房 (2023/12/5) 珠玉の数理エッセイ集 著名な折紙作家であり、天文観測のエンジニアでもある著者によるエッセイ集。 折り紙と幾何学にまつわるすばらしいエッセイが詰まっていて、あと数篇未読のものがあるが読み終わる...
あらゆる循環を司るもの B292『エントロピー (FOR BEGINNERSシリーズ 29) 』(藤田 祐幸,槌田 敦,村上 寛人)
藤田 祐幸 (著), 槌田 敦 (著), 村上 寛人 (イラスト)現代書館 (1985/2/1) こちらも少し前にテンダーさんにお借りしたもの。 若い頃に読んだ同シリーズの本がうまく読めなかったことと、なんとなくエントロピーという概念の射程...
個人のテーマをどこに絞るべきか B291『世界を壊す金融資本主義』(ジャン・ペイルルヴァッド)
ジャン ペイルルヴァッド (著), 山田 雅俊 (監修), 林 昌宏 (翻訳)NTT出版 (2007/3/1) 現在のテーマに沿って図書館で借りてきたもの。 資本主義とは何か?をテーマに設定してから間もないが、早くもこのテーマ事態に限界を感...
資本主義を使いこなすことは可能か B290『資本主義の中心で、資本主義を変える』(清水 大吾)
清水 大吾 (著)NewsPicksパブリッシング (2023/9/6) 資本主義を知るためには、資本主義の中心にいる人の考えも知る必要があると思い、本屋でタイトル買いしたもの。 著者は外資系証券会社であるゴールドマン・サックスで16年間勤...
システムから選択肢を考える B289『地球のなおし方』(デニス・メドウズ ,ドネラ・H.メドウズ ,枝廣 淳子)
デニス・メドウズ (著), ドネラ・H.メドウズ (著), 枝廣 淳子 (著)ダイヤモンド社 (2005/7/15) 少し前にテンダーさんにお借りした本です。 地球環境に対してどのような選択をするべきか、システム思考をベースに易しく語りかけ...
我々は希望の物語を描くことができるか B289『哲学は資本主義を変えられるか ヘーゲル哲学再考』(竹田 青嗣)
竹田 青嗣 (著)KADOKAWA/角川学芸出版 (2016/5/25) この本は昨年の5月にいろいろな哲学者に関する本を読もうと思いたち、まとめて購入した本の一冊であるが、まだヘーゲル自体に関しての興味が湧いていなかったため積読になってい...
アニミズムと成長主義 B288『資本主義の次に来る世界』(ジェイソン・ヒッケル)
ジェイソン・ヒッケル (著), 野中 香方子 (翻訳)東洋経済新報社 (2023/4/21) 帯にある「「アニミズム対二元論」というかつてない視点で文明を読み解き」という文が気になり読んでみた。 全体的な論調としては『人新世の「資本論」』と...
社会的構造が絶望と希望を生む B287『社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで』(山岸 俊男)
山岸 俊男 (著)PHP研究所 (2000/6/21) 以前から社会の空気のようなものがどのように生まれ、どのように影響を与えるかに興味があり、その関連で著者の本を読んでみようと思い買ったもの。 比較的新しいもので、自分の関心に近そうなもの...
環境とは何かを問い続ける B286『環境建築私論 近代建築の先へ』(小泉雅生)
小泉雅生 (著)建築技術 (2021/4/16) 以前読んだ本の中で気になる言葉に著者のものが多かったので読んでみた。 内部構造から外部環境へ 著者は、現代主流になりつつある環境建築の多くが、建築という箱をどうつくるかという外部と分断した内...
ムシについて B285『昆虫の惑星 虫たちは今日も地球を回す』(アンヌ・スヴェルトルップ・ティーゲソン)
アンヌ・スヴェルトルップ・ティーゲソン (著)辰巳出版 (2022/3/30) 初心に帰る旅のついでに。 何度か書いた気がするけど、子供の頃はいわゆるムシキチでいろいろ捕まえては家で飼っていて、その中でも特に水棲昆虫が好きだった。 田んぼで...
脆さの中に運動性を見出す B284『生きられたニュータウン -未来空間の哲学-』(篠原雅武)
篠原雅武 (著)青土社 (2015/12/18) ここ最近の読書によって、環境という言葉に対し自分なりの言葉を持つことができた気がする。 それは、”生活スケールを超えた想像力の獲得”を指標の一つとすることで、様々な価値判断を可能とするもので...
スケール横断的な想像力を獲得する B283『光・熱・気流 環境シミュレーションを活かした建築デザイン手法』(脇坂圭一 他)
脇坂圭一 中川純 谷口景一朗 盧炫佑 小泉雅生 冨樫英介 重村珠穂 秋元孝之 川島範久 清野新(著)建築技術; B5版 (2022/5/25) 前回同様、昨年春に出版された建築環境本の一つ。 「静岡建築茶会2018│建築環境デザインを科学す...
答えをあらかじめ用意しない B282『開放系の建築環境デザイン: 自然を受け入れる設計手法』(末光弘和+末光陽子/SUEP.)
末光弘和+末光陽子/SUEP. (著), 九州大学大学院末光研究室 (著)学芸出版社 (2022/6/10) 昨年、春頃に『環境シミュレーション建築デザイン実践ガイドブック』、『光・熱・気流環境シミュレーションを活かした建築デザイン手法』、...
循環のイメージを高めたい B281『活かして究める 雨の建築道』(日本建築学会編)
日本建築学会 (編集)技報堂出版 (2011/7/6) 『エクセルギーハウスをつくろう』の著者がHPで紹介していたので購入。 この前にシリーズとして『雨の建築学(2000年)』『雨の建築術(2005年)』があるが、とりあえず新しいものを選ん...
水と空気の流れを取り戻すために何ができるか B280『「大地の再生」実践マニュアル: 空気と水の浸透循環を回復する』(矢野 智徳)
矢野 智徳 (著), 大内 正伸 (著), 大地の再生技術研究所 (編集)農山漁村文化協会 (2023/1/18) 『よくわかる土中環境 イラスト&写真でやさしく解説』と合わせて読了。 高田宏臣 (著)PARCO出版 (2022/...
弱い力と次世代へと引き継ぐべき技術 B279『住まいから寒さ・暑さを取り除く―採暖から「暖房」、冷暴から「冷忘」へ』(荒谷 登)
荒谷 登 (著)彰国社 (2013/8/1) 地球環境時代を迎えるいま、経済力、技術力、エネルギーに頼った力づくの問題解決ではなく、それぞれの地域が持っている特質をより顕著なものにする、奪い合うことのない成長のあり方を、本書を通して考えてみ...
風を考える上での2つの言葉 B278『通風トレーニング: 南雄三のパッシブ講座』(南雄三)
南 雄三 (著)建築技術 (2014/1/16) 通風に関する本を探していて本屋で見つけたもの。 その前に『図解 風の力で住まいを快適にする仕組み』 野中 俊宏 (著), 森上 伸也 (著), 四阿 克彦 (著), 並木 秀浩 (著)エクス...
工学的な知識を何に対してどう使うのか B277『最新建築環境工学 改訂4版』(田中 俊六他)
田中 俊六 (著), 岩田 利枝 (著), 土屋 喬雄 (著), 秋元 孝之 (著), 寺尾 道仁 (著), 武田 仁 (著)井上書院; 改訂4版 (2014/2/18) 教科書としての名著 環境工学の教科書である。 最近、基本的なことを学...
手を添えるテクノロジー B276『民家の自然エネルギー技術』(木村 建一 他)
木村 建一, 荒谷 登,石原 修,浦野 良美,伊藤 直明,小玉 祐一郎,渡辺 俊行,吉野 博,宿谷 昌則,田辺 新一,岩下 剛,谷本 潤 (著)彰国社 (1999/3/1) 昔からの民家を工学的に捉えたものは論文などではいろいろと見つかるけ...
道理と装置 B275『エクセルギーハウスをつくろう: エネルギーを使わない暮らし方』(黒岩 哲彦)
黒岩 哲彦 (著)コモンズ (2014/5/3) 前回読んだ本と関連して購入。『エクセルギーと環境の理論』でも著者の実践例が紹介されていた。 著者は、1198年に『エクセルギーと環境の理論』の著者の宿谷氏の研究室を訪ね、その後宿谷氏や当時大...