2023年まとめと2024年の指針 遊ぶように生き、遊ぶようにつくるを実践する
少し遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
昨年に引き続き、昨年1年間で考えたことを1枚の紙にまとめてみました。
→昨年の2022年振り返り記事
→2023matome,pdf
2023年振り返り
昨年の行動指針は「遊ぶように生き、遊ぶようにつくる」でした。
また、考えることとして
・環境という言葉に対し、足場となるような自分の言葉を見つけ、思想、理論、技術、直感のサイクルをまわすこと。
・これまで考えてきたことと、環境に対する考え方の接点を見出し、統合すること。
の2つをテーマとしていました。
行動指針に関しては、「遊ぶように生きる」という点ではテンダーさんがご近所だったという幸運も重なって思ってもいなかったことができたように思いますが、「遊ぶようにつくる」という点では実践する機会が少なかったため、今年は力を蓄える1年になったと思います。
具体的には、
・日置のオフィスを改装し、畑や環境に関する実験を始めた。
・別のCADにしか対応していなかったオープンソースの環境シミュレーションのプラグインを、いつも使っているVectorworksで動くように改造・移植した。(プログラミングのスキルも上がった)
・arduinoというマイコンボードを使って、センサリングによるデータ収集や、リアルタイムデータを反映した機器の制御ができるようになった。
・頂いたカッティングプロッタを使っていろいろなものが切り出せるようになった。
などで、これまで机上で考えていただけのことがリアルな世界と接続できるようになってきましたし、どんな変化があるか分からなかった事務所移転にどんな意味が生まれるかも少しづつ見えてきました。
また、考えることのテーマに関しては、昨年は28冊の読書記録を書いて、何とか、これまでと最近考えたことの接点を見つけることができたかと思います。
- 個人のテーマをどこに絞るべきか B291『世界を壊す金融資本主義』(ジャン・ペイルルヴァッド)
- 資本主義を使いこなすことは可能か B290『資本主義の中心で、資本主義を変える』(清水 大吾)
- システムから選択肢を考える B289『地球のなおし方』(デニス・メドウズ ,ドネラ・H.メドウズ ,枝廣 淳子)
- 我々は希望の物語を描くことができるか B289『哲学は資本主義を変えられるか ヘーゲル哲学再考』(竹田 青嗣)
- アニミズムと成長主義 B288『資本主義の次に来る世界』(ジェイソン・ヒッケル)
- 社会的構造が絶望と希望を生む B287『社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで』(山岸 俊男)
- 環境とは何かを問い続ける B286『環境建築私論 近代建築の先へ』(小泉雅生)
- ムシについて B285『昆虫の惑星 虫たちは今日も地球を回す』(アンヌ・スヴェルトルップ・ティーゲソン)
- 脆さの中に運動性を見出す B284『生きられたニュータウン -未来空間の哲学-』(篠原雅武)
- スケール横断的な想像力を獲得する B283『光・熱・気流 環境シミュレーションを活かした建築デザイン手法』(脇坂圭一 他)
- 答えをあらかじめ用意しない B282『開放系の建築環境デザイン: 自然を受け入れる設計手法』(末光弘和+末光陽子/SUEP.)
- 循環のイメージを高めたい B281『活かして究める 雨の建築道』(日本建築学会編)
- 水と空気の流れを取り戻すために何ができるか B280『「大地の再生」実践マニュアル: 空気と水の浸透循環を回復する』(矢野 智徳)
- 弱い力と次世代へと引き継ぐべき技術 B279『住まいから寒さ・暑さを取り除く―採暖から「暖房」、冷暴から「冷忘」へ』(荒谷 登)
- 風を考える上での2つの言葉 B278『通風トレーニング: 南雄三のパッシブ講座』(南雄三)
- 工学的な知識を何に対してどう使うのか B277『最新建築環境工学 改訂4版』(田中 俊六他)
- 手を添えるテクノロジー B276『民家の自然エネルギー技術』(木村 建一 他)
- 道理と装置 B275『エクセルギーハウスをつくろう: エネルギーを使わない暮らし方』(黒岩 哲彦)
- はたらきのデザインに足りなかったパーツ B274『エクセルギーと環境の理論: 流れ・循環のデザインとは何か』(宿谷 昌則)
- 永遠のオルタナティブ B273『方丈記 現代語訳付き』(鴨長明 )
- 21世紀の民家 B272『生きられた家 ー経験と象徴』(多木浩二)
- 世界にとどまる境界線に再び向き合う B271『体の知性を取り戻す』(尹 雄大)
- 不安の源から生命の躍動へ B270『生成と消滅の精神史 終わらない心を生きる』(下西 風澄)
- 触覚と倫理、周辺視とリアリティ B269『建築と触覚: 空間と五感をめぐる哲学』(ユハニ・パッラスマー)
- 建築を遊ぶために B268『意味がない無意味』(千葉雅也)
- 関係性と自立性の重なりに向けて B267『四方対象: オブジェクト指向存在論入門』(グレアム ハーマン)
- それでも建築をつくるために B266『空間の名づけ――Aと非Aの重なり』(塩崎太伸)
- 都市新世の原理 B265『スケール 上・下:生命、都市、経済をめぐる普遍的法則』(ジョフリー・ウェスト)
▲昨年の読書記録
これらを1枚にまとめたのが冒頭の画像・PDFになります。
2024年の指針
昨年まとめたもののキーワードは、遊び、想像力、はたらき・運動性などですが、これらはこれまで建築について考えてきた際のキーワードと重なります。(重なるものを探してきた、ということでもあると思いますが)
その上で、来年の指針を考えようと思ったのですが、来年も引き続き「エコロジカルな言葉と思想をもとに、遊ぶように生き、遊ぶようにつくる」を指針としつつ、その実践に重心を置いて具体的に動いていこうかと考えています。
本年もどうぞよろしくお願いします。