脆弱性を受け入れ隙間を捉える B207『公共空間の政治理論』(篠原 雅武)

篠原 雅武 (著)出版社: 人文書院 (2007/8/1) だいぶ前に『アトリエ・ワン コモナリティーズ ふるまいの生産』で紹介されていた本から数冊購入したのですが、これはそのうちの一冊。 本書で考えてみたいのは、共通世界としての公共空間と...続きを読む ≫


大空間のスケール/子どものスケール B206『KES構法で建てる木造園舎 (建築設計資料別冊 1)』(建築資料研究社)

建築設計資料建築資料研究社 (2012/9/1) 接合金物を使ったKES工法による木造園舎21例(保育所15例、認定こども園3例、幼稚園2例、その他1例)を集めた資料集です。 保育所の例が多いのは、燃え代設計等による準耐火構造とすることによ...続きを読む ≫


子どもも保育者も自在であれるように B204『子どもと親が行きたくなる園 (あんしん子育てすこやか保育ライブラリー 3)』(寺田 信太郎 他)

寺田信太郎 (著),‎ 深野静子 (著),‎ 塩川寿平 (著),‎ 塩川寿一 (著),‎ 落合秀子 (著),‎ 山口学世 (著),‎ 佐々木正美 (監修)すばる舎 (2010/10/14) 川和保育園、さくらんぼ保育園、大中里保育園/野中保...続きを読む ≫


保育環境を包み込む建築空間はどうあるべきか B203『学びを支える保育環境づくり: 幼稚園・保育園・認定こども園の環境構成 (教育単行本)』(高山 静子)

高山 静子 (著)小学館 (2017/5/17) 環境構成をよりわかりやすくまとめた一冊 『環境構成の理論と実践ー保育の専門性に基づいて』と同じ著者による環境構成の本です。 『環境構成の理論と実践』が環境構成の理論を体系的にまとめることを試...続きを読む ≫


環境構成技術の集大成 B201 『ふってもはれても: 川和保育園の日々と「113のつぶやき」』(川和保育園)

川和保育園 (編集),‎ 寺田 信太郎 宮原 洋一新評論 (2014/10/20) 重層的な遊具構成の園庭で有名な川和保育園を紹介した本です。 遊具を中心とした園庭での生活の紹介、子どもたちのつぶやきの紹介、園長先生の考え方の紹介、の3章か...続きを読む ≫


空間と生活の中で学ぶことの大切さ B200『11の子どもの家: 象の保育園・幼稚園・こども園』(象設計集団)

象設計集団 (編集)新評論 (2016/12/22) 僕は象設計集団の建物がわりと、いや、かなりスキです。 ゲストに象設計集団の町山一郎を迎えて1982年に建てられた小学校を紹介する。 前に象の本を読んだときのように、ため息が出っ放しだった...続きを読む ≫


保育の現場で「どうしてそうするのか」の原則を共有するために B199 『環境構成の理論と実践ー保育の専門性に基づいて』(高山静子)

高山静子 (著)エイデル研究所; B5版 (2014/5/30) 環境構成という専門技術 この本では、さまざまな園の異なる実践に共通した原則を説明することを試みました。原則は、実践の骨組みとなる理論です。原則ですから、理想の園や理想の環境を...続きを読む ≫


子どもを中心とした2つの矢印 B196『まちの保育園を知っていますか』(松本 理寿輝)

松本 理寿輝 (著)小学館 (2017/3/23) 子どもたちに多様な出会いの機会を 僕の大学の卒論は『コミュニティから見たコーポラティブハウスの考察』というもので、コミュニティというものを現代社会の中での有効性という視点から考えてみたい、...続きを読む ≫


「子どもが育つ」状況に満たされた場 B195『ふじようちえんのひみつ: 世界が注目する幼稚園の園長先生がしていること』(加藤 積一)

加藤 積一 (著)小学館 (2016/7/22) コラボレーションの理想形 ふじようちえんは、佐藤可士和と手塚建築研究所がコラボレーションし、日本建築学会賞を受賞した建築として有名です。 この本は、そんなコラボレーションのもう一人の主役、園...続きを読む ≫


構法論的想像力を身につけたい B193『内田祥哉 窓と建築ゼミナール』(内田 祥哉 他)

内田 祥哉 (著),‎ 門脇 耕三 (編集),‎ 藤原 徹平 (編集),‎ 戸田 穣 (編集),‎ 窓研究所 (編集)鹿島出版会 (2017/10/5) 本著は建築構法学・ビルディングエレメント論(BE論)を唱えた内田祥哉による講座及び聴講...続きを読む ≫


メガネと広告とわたし B191『広告の誕生―近代メディア文化の歴史社会学』(北田 暁大)

北田 暁大 (著)岩波書店 (2000/3/6) この本は2000年出版でだいぶ前のものだけど、たこ大の課題図書だったため興味を持ち購入したもの。 気がつけば読書記録も2年近くストップしていた。読みっぱなしで身につかないままの本も溜まってき...続きを読む ≫


ケンペケ06「建築のデフレッペチーノ」カメアトリエ 亀崎 義仁

先日のケンペケについて。 長期間テキストを書けてないのでリハビリも兼ねて簡単に。 (イベント後半、例のごとくダウン気味だったので、償いも兼ね・・・) カメアトリエの亀崎さん(以後カメさん)はコラムを書いていたり、造形美確認検査センターという...続きを読む ≫


生態学的な能動的態度に優れた人々 B190 『アトリエ・ワン コモナリティーズ ふるまいの生産』(アトリエ・ワン)

アトリエ・ワン (著)LIXIL出版 (2014/4/25) コモナリティの意図するところ 出版された当時はまだピンと来ずに購入を見合わせていたが、「おいしい知覚/出会いの建築」(以下[知覚])をまとめる過程で関心を持った知覚の公共性と関連...続きを読む ≫


それぞれのスケールにとって適切な流れの大きさや速さ、それに伴うデザインがある B189『流れとかたち――万物のデザインを決める新たな物理法則』(エイドリアン・ベジャン)

エイドリアン・ベジャン (著)紀伊國屋書店; 46版 (2013/8/22) 本屋でふと目について買ったもの。 流れの法則 この本の主張は至ってシンプルである。 有限大の流動系が時の流れの中で存続する(生きる)ためには、その系の配置は、中を...続きを読む ≫


経験には喜びや希望、生きることのリアリティが内在している B188『経験のための戦い―情報の生態学から社会哲学へ』(エドワード・S. リード)

エドワード・S. リード (著)新曜社 (2010/3/31) 前回と同じ著者で、生態心理学の流れで倫理的な視点に対して信頼を持てるようになることを期待して手にとったもの。 原題は『The Necessity of Experience(情...続きを読む ≫


ギブソンの理論を人間の社会性へと拡張する B187『アフォーダンスの心理学―生態心理学への道』(エドワード・S. リード)

エドワード・S. リード (著)新曜社 (2000/11) これまで読んだ本でも何度も引用されており、生態学を社会性のようなもとつなげられそうな予感がして読んでみた。 世界/環境との切り結び 進化・行動・価値や意味・社会や文化・言語や思考と...続きを読む ≫


建築の倫理とアフォーダンスの肯定的世界観 B186 『知の生態学的転回3 倫理: 人類のアフォーダンス』

河野 哲也 (編集)東京大学出版会 (2013/8/26) シリーズ最終巻のタイトルは倫理。 生態学と倫理がどう結びつくのだろうか。巻頭の「はじめに」にはこうある。 本巻の寄稿者たちは、それぞれの分野において、社会や文化の領域にエコロジカル...続きを読む ≫


社会的なものも含めたリアリティの密度への手がかり B185『生態学的視覚論―ヒトの知覚世界を探る』(J.J.ギブソン)

J.J.ギブソン (著)サイエンス社 (1986/03) この本の原文は1979年、私が4歳の頃に出版されたものである。 このブログでもアフォーダンスについてはいろいろと書いてきているが、そのベースとなる本書は専門的すぎて難解なのでは、とい...続きを読む ≫


レビュー04「建築の素材」 403architecture [dajiba]辻琢磨

先日403architectureの辻さんを招いてのケンペケがあったので参加してきました。 自分なりに何か得るものがあったのでメモとして書いておきます。 メタとベタ、意識と行為 予習で意識していた二つの問い、 ■オノケン【太田則宏建築事務所...続きを読む ≫


生態学転回によって設計にどのような転回が起こりうるか B184『知の生態学的転回1 身体: 環境とのエンカウンター』(佐々木 正人 他)

佐々木 正人 (編集)東京大学出版会 (2013/6/29) 以前3回にわたって感想を書いた『知の生態学的転回』の第1巻。 先にこのシリーズ3巻の部構成を引用しておく。 1 身体:環境とのエンカウンター 序章 意図・空気・場所――身体の生態...続きを読む ≫