遠回りも無駄ではなかった B295『線(せん)と管(かん)をつながない 好文×全作の小屋づくり』(中村 好文,吉田 全作)
 中村 好文 (著), 吉田 全作 (著)
中村 好文 (著), 吉田 全作 (著)
PHP研究所 (2022/6/20)
この本は発売してすぐに購入していたけれども、まだ読むタイミングではない気がして、ずっとそのままにしていたもの。
そろそろ、読んでも良いタイミングかと思い手に取ってみた。
タイトル通り、線つまり電気と、管つまり公共的な給水管と排水管とをつながない、いわゆるオフグリッドな小屋についてお二方が交互に語るような内容。
線と管をつながないとは、すなわちエネルギーや水、栄養素などの循環について自ら考えるということである。
この中で、パーマカルチャーデザイナーの四井真司氏の言葉を引いた部分がある。
四井さんは、「多くの人は環境問題と言えば≪省エネルギー≫≪省資源≫という言葉をお題目のように言うけれども、本当に大切なことはそれだけではなく、資源を得る仕組みについて考え、それを生み出すことに知恵を絞り工夫を凝らすことだ」と言います。「一般的には、人が暮らすことによって自然環境は悪化し、資源は消費されて目減りし、地球環境に負荷を与えることになると考えられているけれど、そうしたマイナス面ばかりではなく、人が暮らすことで、資源を生み出し、その場所の自然環境を豊かにすることだってできる・・・」というのが四井さんが実践を通じて会得したことです。(p.82)
これは、これまで私が環境について考えてきた中で辿り着いた考えとかなり近いけれども、おそらくここに辿り着く前に本書を読んでいたら、何となくわかった気になって終わっていたかもしれない。
そういう意味でも、遠回りしたことに意味があったし、本書を読むタイミングもやはり今だったのだろう。
本書では、どのような工夫をしているか、どのような技術や製品を使っているか、コストも含めて具体的に挙げられていてとても参考になった。
とはいえ、これらがすべてではなく、状況に応じたさまざまな選択肢があるはずだし、それに対する自分なりの指針も必要だろう。
環境に対する思想という点ではだいぶ自分の言葉を持てるようになってきたように思う。
これからは、より具体的な手法や技術について実践も含めて学んでいきたい。
また、環境という言葉に対する価値観や距離感は人それぞれでかなりの幅がある。
これに対して、オノケンとは別にアプローチするための枠組みを今準備しているところなので、準備が整い次第公開したい。
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