二-十三 構成―意味の現れとずれ

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現れとずれ

構成とは建築の部分と全体の関係性のことである。

建築にはいろいろな構成が考えられるが、構成は意味の現れとずれによって出会いのきっっかけとなる。

例えば、動物や植物がどのような部分と全体の関係性でできているかを考えた時に、その構成には何らかの意味、もしくは必然性のようなものが読み取れる。同様に、建築の構成に、意味や必然性のようなものが読み取られた時に、そこに出会いが生まれる。

その意味は必ずしも機能的なものである必要はないけれども、例えば、窓の形状や壁の仕上げ、その他諸々の部分による構成によって、劇的で気持ちのよい光を体験できたとする。そして、その光がまさに建築の構成によって生まれたと、無意識にでも感じ取ったとすると、そこには光との出会いと同時に構成との出会いがある。そして、その出会いの重なりによって、出会いに感じる悦びとリアリティはより大きなものとなるのではないだろうか。

また、例えば、動物の形態にはキリンやゾウなどのように、一般的な構成の論理から外れるような、大きな特徴があるものが多いように思う。このずれは、意味や必然性の現れが極端に出たものでもあるだろうが、その極端なずれによって全体の構成が乱され、新しいバランスの構成が必然的に導かれている。

私たちが動物園に期待するのは、それぞれの動物の姿に見られる、意味の現れやずれ、それに伴う独特な構成の緊張関係などであり、その構成の不思議なほどに多様なバリエーションなのかもしれないし、そこはきっと、出会いの悦びに溢れているに違いない。

同様に、建築の構成に、既存の構成からのずれがあることは出会いのきっかけとなるだろうし、それによって新たに導かれた構成は、建築に固有性を与え、出会いをより持続的で活発なものとするだろう。

人は建築で、建築の構成、意味の現れとずれに出会う。




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