二-十四 オノマトペ―出会いの形式
体験的な言葉
擬声語・オノマトペなどの言葉は曖昧で物質的に明確な輪郭を持たず、絶えず出会いに対して開かれていながら、何らかの出会いの形式を指し示している。
例えば、ある建築を体験した時に「ぐるぐる」という言葉が浮かんだとする。そこには渦のような場の流れと同時に、淀みのような流れに守られた場があるのかもしれないし、逆に言えば、「ぐるぐる」というような体験的な言葉が浮かぶ建築は、それに相応しい出会いの形式を備えているということかもしれない。おそらく、こういう建築は、体験的にその建物の構成を感じ取りやすいのであろうし、そこに出会いの悦びやリアリティが生まれる可能性は高いように思う。
人は建築で、体験的な言葉と出会う。