B132 『職業は建築家―君たちが知っておくべきこと』
ローランド ハーゲンバーグ (著)
柏書房 (2004/11)
図書館にて。
全体の感想としてはあまりお勧めではありません。
その理由は
- 値段(2100円)に対して内容がほとんどない。専門書としては安めの部類だけどテキストの分量がかなり少ない。遅読の僕が1時間もかかりませんでした。
- テーマが良く分からない。本のタイトルと各インタビューの内容のつながりがほとんど感じられませんでした。初心者向けの本かと思わせるタイトルですが、個々の建築家の作品や思想に親しんでいないと、多分この内容では意味が分からないと思います。
- 内容そのものもブツ切れで中途半端。個々の建築家にも迫りきれてない。
なんでこのタイトルにしたんだろう。
タイトルに見合うのはとってつけたような五十嵐太郎と村瀬良太による100冊のブックガイドだけ。
もともとは映像 だったみたいですが、こっちもそんなに評判はよろしくない。
あまりその建築家ならではの思想を浮き彫りにしてるとは言い難いけどとりあえず何点かメモ。
シェルターについても同じで、ロビンソン・クルーソーのように、海辺に暮らし、気候が良ければ、外で釣りをします。暑くなったり、嵐がきたら、しばし身を守る建物を造るのです。そのように自然環境に適応し、快適な暮らしをするということです。(原広司:もし自分のシェルターを創るとしたら、どのようなものになりますか?に対する返答の一部)
私が考える安全な空間とは、竪穴式住居のようなものです。半分が地面に埋まっていて、土に触れることができ、その上には丸太がかかっていて、丸太に触れることもでき、全体が、土と丸太、そして周りの森に守られているという、安心感を与えるものです。安全性とは安心感だと思います。したがって、心の平穏を保つ自然な素材であり、特殊な技術や建物の強度とは別だと思うのです。(隈研吾:建築における安全な空間とは、どのようなものだと思いますか?に対する返答の一部)
考え方が違うと思います。箱を作り内部空間をコントロールしようとするのは、いわゆる西洋的な近代建築の考えで、そこで空調や暖房器具、二重窓ガラスを用いれば、確かにエネルギーの節約になりますが、エコロジカルとは呼べません。真にエコロジカルな建築というのは、外部空間に向けて開かれているべきものだと思います。21世紀に向かって発展する新しいスタイルは、この考え方に基づくものだと思います。(中略)日本人は、伝統的に内部空間と外部空間の関係がとても大事で、場合によっては、庭などの外部空間の方が大事だと考えてきたのだと思います。(内藤廣:ヨーロッパではエネルギー節約のために窓ガラスを二重ガラスにしていますが、自分の事務所に二重ガラスを使用していない点は、気になりませんか?に対する返答の一部)
建築構成学は内在化と逸脱によってはじめて実践的価値を生む B214『建築構成学 建築デザインの方法』(坂本 一成 他)
いつかの自分の背中 B302『トラッカー: インディアンの聖なるサバイバル術』(トム ブラウン ジュニア)
経験には喜びや希望、生きることのリアリティが内在している B188『経験のための戦い―情報の生態学から社会哲学へ』(エドワード・S. リード)
里山なき生態系 B260『さとやま――生物多様性と生態系模様』( 鷲谷 いづみ )B261『里山という物語: 環境人文学の対話』(結城 正美 , 黒田 智他)
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