コンセプト
「コンセプト」
これも「デザイン」同様、芸術家気取りと思われやすい。
conceptを辞書で引くと「概念・観念・着想・考え」とあるが、この場合、「構想」を加えたほうが良いと思う。
「コンセプト」は意志の共有の為には欠かせない。
また、自ら意思決定を行う為の基準となる。
いわば補助線のようなものである。
デザインのうまくいっているものは、この補助線がうまく機能しているのである。
それは、ぱっと目に見えたり、うまく隠されていたりするが。
人はおそらくその補助線の存在を「無意識に」察知する能力を持っている。
頭で理解するのではなく、感じるのである。
そんな補助線はデザインに全く興味のない人にはどうでもいいかと言うと、僕はそうは思わない。
建築は環境のひとつである。
誰であっても、いやでも日常的に関わらざるを得ない。
知らないうちに感じとり、無意識に大きな影響を受けているに違いない。
おそらく、補助線による「意味の縮減」は美であり、快楽であろう。
興味があろうがなかろうが心地よいものは心地よいのだ。
だから、僕たちは「芸術家きどり」とののしられようが、補助線の存在とデザインに気をかけなければならないのである。