B087 『昭和モダン建築巡礼 西日本編』
日系アーキテクチュアの連載をまとめたもの。
戦後の1945から1975年に建てられたモダニズム建築を西から順にレポートしていくのだが、スタートは宮崎の都城市民会館で鹿児島ではなかったのが残念。
最近妙にこの頃の建築に魅力を感じるのだけれどもなぜだろうか。
モダニズムを軸に建築に夢と希望と野心があった時代だからかもしれないが、建築が建築として生きている感じがする。
なんというか表情を持っているというか色気があるのだ。
今ではモダニズムっぽい建築は真似をすれば誰でもできるように思う。
ところが、数あるモダニズム(っぽい)建築のなかでもそのなかに色気を感じるもの、建築として生きている感じがするものといえば極端に数は絞られてくるし、それができる人はなかなかいない。
そもそもモダニズム自体が人間臭さを伴ったものだと思うのだがそのあたりをすっとばかした建築はやっぱり何かが足りないように思う。
建築であることの強さをもっと信じたっていいんじゃないだろうか、と割と素直に思えるようなそんな本でした。
あー、僕も巡礼したい。