W010 『姶良総合運動公園体育館』
□所在地:鹿児島県姶良郡姶良町平松
□設計:古市徹雄/古市徹雄都市建築研究所
□用途:体育館・観覧場
□竣工年:2005年
[gmaps:31.724717665406757/130.60203552246094/15/460/300](comment)[/gmaps]
内覧会があったので行ってきました。
明日、土木の検査があるようで古市さんが現場に来ており、直接説明して下さいました。
大屋根は厚さ220mmの集成材の木板が構造体と内部仕上・断熱材を兼ねるという構造。
古市さん曰く屋根の部材を少なくしシンプルに見せたかったそうです。
また、木造、鉄骨造、PC造、現場打ちRC造といった構造を適材適所に使用している。
左右対称を崩すということも重要なテーマであったらしく、それによる空間の自由さは感じました。
屋内にあるスロープ状のアップダウンの設けられたランニングコースは、ファサード及び内部空間に程よいアクセントとなり楽しさを与えている。
内部は思っていたよりクローズした感じだったが、体育館の機能による要請から開口部のとり方が難しかったのではないだろうか。
せっかくのスラブ状の屋根であるが、内部から外部へと流れるように見えなかったのは残念に感じた。
屋根が外部にまで流れ出ていれば、より自由で楽しげな空間になったように思うのだが、いろいろと困難があったのであろう。(質問すればよかったなぁ。しまったなぁ。)
ちなみに、この施設の監理は第三者監理の方式がとられて非常に苦労されたようです。
第三者監理のような馬鹿げたことは即刻やめるべきだと思う。
屋上への動線と屋上テラスが非常に気持ちが良く、遊びが効いている感じがしたが、それ以外の部分ではなかなか遊びの部分がとれなかったのではと感じた。
体育館にもとめられる機能性とコストの問題をどう解決し、その中でどういったテーマを見つけられるか。なかなか難しい問題だなと思う。
機能というものに切り込んでいく必要を感じる。
△北側外観途中突き出ている部分は屋内のランニングコース
△西側エントランス上部庇
△南側外観途中突き出ている部分は屋内のランニングコース
こちらの面がPC造
△アリーナ天井
△ミーティングコーナーよりアリーナを見る
△ランニングコース
△ミーティングコーナーよりエントランス上部吹き抜けを見る
屋上へあがる外部階段が内部に現れていてきれいだった
△2階テラス
左の階段から屋上へ
△屋根開口部
空が切り取られる。
△屋上テラス
右のメタリックな煙突のようなものは設備の配管スペース。
この写真だとどちらに重力がかかってるか分からなくなりそう。
△2階への外部階段
2階にもサブエントランスがあり
競技が行われるときは1階が競技者
2階が観覧者のエントランスとなるそう。
△現場にあった屋根をはずした模型