プレカットの打ち合わせ
今日はプレカットの事前打ち合わせでした。
今は木造の軸組を大工さんが手刻みで加工してくることは少なくなり、ほとんどが工場での機械加工(プレカット)になっています。
設計図を元に起こしたプレカット図面を、設計者と施工者(現場監督・担当者)、プレカット会社の三者で時間をかけて入念にチェックするのですが、ここが現場監理の一つのキモであり、三者の能力が問われるところでもあります。
現場に入ってから後で慌てないように、構造強度に関することはもちろん、木の組み方、金物との取り合いや作業性、室内の仕上げ方や設備配管のルート、その他様々なことを想定しながらチェックしていきます。
自分は設計者なので、当然一通りは頭の中に入っています。毎回チェック漏れのないつもりでこの打ち合わせに臨むのですが、ここの監督さんは、それ以上に現場目線からよりきれいに納まるようなポイントをいくつも指摘・提案して下さります。事前に図面の隅々までを頭に入れて、つくる過程を綿密にシミュレーションしていなければ、できることではありません。
打ち合わせもそれだけ長丁場になりますが、おかげで安心して現場を進められ、ありがたいことです。(と言って気を抜いて相手任せになればミスのもとになりますが)
また、プレカット会社まかせの設計者や現場監督も多いと聞きます。プレカットの担当者もプロで、図面を見てかなりの配慮はしてくれていますが、それにも限度があります。それでも現場がまわっているのは考えなくてもつくれるような単純な、もしくは一般的なつくりなのか、後で現場でつじつま合わせをしているかどっちかなのでしょう。(前者には前者なりの利点がありますが。)
うちは、スキップフロアーなどの複雑な構造や、メリハリをつけるために木の組み方や寸法を攻めてたりすることが多いので、どうしても、知恵を持ち寄るこの打ち合わせは欠かすことができません。
毎回、そうやって力を合わせていただけるおかげで実現できているのだと思います。