Vectorworks版Ladybug tools(7) エネルギー解析_解析編
(※この記事は使用しているwindows,Vectorworks2022の環境のもとに書いています。)
前回に引き続きエネルギー解析について今回は解析編です。
エネルギー解析
エネルギー解析をするには、モデル作成後、「エネルギー解析」ノードを各種設定の上実行します。
今回はその前に、オレンジのノードの各仕様を設定していきます。(よく使う仕様を複数用意しておいて、itemのポートをつなぎ直しても良いです。)
まずは、基礎仕様以外の断熱性能の設定について。
名前・・・ノードの表示名です。上記のように複数のノードを入れ替えることを想定して判別しやすい名前を入力すれば良いかと思います。
名称・・・上記と同じで良いかと思います。こちらは結果出力の際の仕様表示に使われます。
部位・・・平均熱貫流率の計算を行う際に、一般部(断熱材など)と熱橋部(木材など)の割合を決定するのに使います。
素材1~7・・・構成部材の種類と厚さを断熱部(一般部)と熱橋部もしくは全面(断熱部+熱橋部)ごとに設定してください。
各種放射率・・・放射率とありますが、各波長の放射熱を吸収する割合です。特に反射率の高い部位などは設定を調整してください。
次に基礎部分です。(基礎断熱を想定しています。)
名前・・・ノードの表示名です。上記のように複数のノードを入れ替えることを想定して判別しやすい名前を入力すれば良いかと思います。
名称・・・上記と同じで良いかと思います。こちらは結果出力の際の仕様表示に使われます。
その他設定・・・その他は項目を見れば分かるかと思います。基礎立ち上がりの断熱材の仕様と厚さ、およびコンクリート厚はシミュレーション時の外皮性能の計算に用いられます。その他は省エネ申請用の基礎熱貫流率UFjを計算するのに用いています。
以上の断熱性能の設定が終わりましたら、「エネルギー解析」ノードを各種設定して実行です。
設定項目は、
件名・・・honeybeeでの計算結果を保存する際の件名になります。
room個別設定・・・空調等roomごとに個別設定をする際はチェックしてください。チェックがない場合は全体を1室とみなします。
空調設定・・・空調機の能力の設定です。一般的なエアコンの畳数表示の性能値を入れています(この畳数表示は時代遅れも甚だしいですが・・・)。数値を確認もしくは修正する場合はラッパー内のノードのコードを直接調整してください。上記のroom個別設定で個別の場合は、モデリングの際のac値の番号の空調機が使われます。個別以外の場合は、全体空調のみが使われます。とりあえず、NoLimitで計算して最大負荷を確認するというのも良いかと思います。
機械制御・・・冷暖房システムがあるかどうか。自然室温の検討時以外はチェックで良いかと。
窓開閉・・・一定の気温の際に自然換気を行うかどうか。行う場合はoperableの窓のみが開閉に使われます。窓開閉の条件を変える場合はラッパー内の「HB Ventilation Control」の設定を変更してください。
空調シーズン・・・空調の条件をシーズンごとに設定するかどうかの設定。チェックを外すと下記の2項目は反映されません。
空調開始/終了時間・・・空調の開始時間と終了時間です。これ以外の時間は条件に関わらず空調は停止します。
週間オン1オフ0・・・日曜から始まる1週間の空調使用のプログラムです。店舗などで、使用する曜日が決まっているケースなどを想定しています。
潜熱交換効率・・・換気設備の潜熱換気効率です。
開口部奥行・・・開口部およびroomのモデルは、厚みのない面で作成するため、ここで厚みとなる奥行きを設定します。およその壁厚を入力すれば良いかと思います。
ワイヤーフレームを表示・・・実行時にモデルのワイヤーフレームを作成するかどうか。モデルの確認以外では表示させることはないかと思います。
OSM run・・・モデルをOpenStudioModelに書き込み、シミュレーションを行うかどうか。基本的にはチェックで良いかと。
UA値計算書書き出し・・・ワークシートにUA値計算書を書き出すかどうか。
概要比較書書き出し・・・解析結果の概要をワークシートに書き出すかどうか。(結果出力時にこのワークシートが参照されるため基本的にはチェックで良いかと)
概要符号・・・ワークシートのどの列に概要を書き出すか。使用ごとに結果を比較検討する際には符号を変えて解析をしてみてください。
電気料金単価・・・電気使用量に対する電気料金を計算する際の単価。
空調機APF・・・空調機の通年エネルギー消費効率。年間の空調の料金を出す際は、(年間空調負荷)×(電気料金単価)/(空調機APF)で計算していますので適宜調整してください。
オブジェクト設定関連の説明は、これまでと同じですので省略します。
解析編は以上です。
次回の結果出力編で、Vectorworks版Ladybug toolsは一区切りの予定です。