B102 『ごきげん朝ごはん』
- 著:山崎 佳
- 出版社:講談社
- 定価:1260円
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本が好き!プロジェクト5冊目。
うーん、まいった。
書評を書く前に同じ本について他の人が書いた書評を読むかどうかいつも迷うのだけど、今回はついつい覘いてしまった。
そこには
ただしレシピを期待するには物足りない、エッセイとして読むなら生活感がなくて気取った感じがする、そんな内容でした。
と書かれていたのですが、全く同感。うーん、これ以上端的に感じたことを書けそうにありません。
ということで、全体的な印象としては上記引用の指摘のように料理とエッセイ、どちらもどっちつかずで物足りない感じがしたのですが、それで書評を終わるわけにもいきません。
もう少し著者が何を感じているのだろうか、と著者の思いに近づこうとしましたが、そこで見えてきたのは僕は感覚的にオジサンなんだなぁということ。
この本を申し込んだときに期待したのはわくわくするようなアイデアのレシピや料理が踊るような鮮やかな写真、ふと心温まるような深みのあるストーリーなどなど、だったのですが、この本にはそういうオジサンの期待するようなものが期待するような形では全くのっていないのです。
そこにあるのはありきたりのレシピとどこかピントのぼけた写真、女の子を演じるために借りてきたような軽い言葉、そしてそれらをひっくるめた個人的に閉じた世界。
本人は意味を求めてるのかもしれませんが、その根には、深さや意味に絡めとられて大人の仲間入りすることを拒んでいるような、若さによる抵抗を感じます。
それに違和感を感じかけてるあたりやっぱりオジサンなんだなぁと。
ちょっと頑張って余計なものを振り落とし、「これでいいじゃん」と軽い気持ちになれたならこの本の『ごきげん』に少しだけ近づける気がしました。
毎日を瑞々しく生きる女の子と、近頃理屈っぽくなったなぁと思うおじさんに。
著者のHPの方が雰囲気がでてるかも。