B079 『悪なんて知らないと猫は言う』

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悪なんて知らないと猫は言う―悪とヒトの優雅な哲学 左近司 祥子 (2001/09)
講談社


結構前に読んだ本。
猫好きの哲学者による哲学エッセイ。

プラトンやアリストテレスを軸に善や悪、自由、共同体、自己保持などについて分かりやすく語られる。

争いが行くところまで行ってしまうのは、その争いが、非当事者の立場から見れば、「善い」と「悪い」とのせめぎあいなどではなぃ、「善い」と「善い」のしのぎあいになっているからである。

くしくもこの本は2001年9月10日発行である。
絶対的な善や悪があるなど幻想に過ぎない。しかし、悲しい争いは絶えることがない。

あるのは自分にとっての善や悪だけだ。それなのに人はおせっかいにも周りに対してその善や悪を当てはめたがり無駄な争いを生む。
しかし、猫にとっては善や悪なんてものはどうでもいいことなのだ。猫は『寝たふりをしながら、じっと宇宙の呼び声を聞く』だけである。(谷川俊太郎の詩のように)ペットにするなら犬がいい。
だけどもし無人島に連れて行くなら猫を選ぶかも。





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