B052 『建築は詩 -吉村順三のことば一〇〇』
シンプルで居心地のいいすまい。
火と水と植物。光と音楽。
端正な佇まい。品。プロポーション。寸法。
そんな、単純であたりまえのことが大切。
でも当たり前のことで勝負するのが一番難しい。
■一般に物の形は固定した論理でもって、やみくもにつくられるべきものではない。人間の自由さをいいものとして形に生かしていく努力―責任のある自由さ―を大切にしたい。
■建築は、はじめに造型があるのではなく、はじめに人間の生活があり、心の豊かさを創り出すものでなければならない。そのために、設計は、奇をてらわず、単純明快でなければならない。
■計算では出てこないような人間の生活とか、そこに住む人の心理というものを、寸法によって表すのが、設計というものであって、設計が単なる製図ではないというのは、このことである。
■私は建築家として、自分では寸法にいちばん責任をもっている。自分のプロとしての責任として、寸法を大事にしています。