Categories: 出会う建築

二-一九 はたらき―出会いの連鎖

出会いの連鎖と「生きている」こと

私たちの生活は、出会いと行為の絶え間ない連鎖であり、そこにははたらきがある。

一人ひとりの中に出会いの連鎖のはたらきがあり、また、集団としての社会的・文化的・歴史的はたらきがある。そのはたらきのことを「生きている」と言ったりする。時々、生物が「生きている」と言うのと同じように、社会や都市が「生きている」と言うこともあるけれども、そこには出会いの連鎖のはたらきを見ているのである。

このはたらきそのものは、直接見ることができないが、はたらきとの出会いはどのようなものが考えられるだろうか。

例えば、技術の項で書いた「保留されたものとの出会い」がそうかもしれない。出会いが積み重ねられた一つの状態には、それまでのはたらきが現れているし、今が、静止した状態ではなく、はたらきの最中にあることを感じさせてくれる。

また、はたらきとの出会いを考えた時、、流動、更新、変転、生成といったようなはたらきが含まれている言葉との出会いを考えてみても良いと思う。私たちの環境が、静止したモノではなく、変わり続けるコトとして感じられた時、はたらきとの出会いが生まれるのかもしれない。

建築について考えてみると、このようなはたらきの存在を自然と感じさせてくれるような建築というものがあるように思うし、そのような建築はやはり貴重な存在だと言えるだろう。

人は建築で、はたらき、すなわち「生きている」ことと出会う。

オノケン

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オノケン

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