Categories: 出会う建築

二-十一 遊び―出会いの作法

誤差と遊び

何かをするときには必ず予測とは異なることが起きる。

例えば、理想が先にあってそれに向けて何かがなされるときには、その誤差はネガティブな要素、痛みとなる。そこでは、誤差はあってはいけないものであり、なかったことにするために全力が尽くされる。

一方、その誤差を、環境から受け取った情報と捉えると、それはポジティブな要素、何かを想像するきっかけとなる。そこでは、誤差は自分とは異なることを楽しめるような遊びの対象になり、そこに出会いが生まれる。

つまり、遊びとは出会いの作法であるといえる。

例えば、建築の中に予測を裏切るような遊びの要素があるとする。その遊びの要素は人の出会いに対する感度を鋭敏にし、それまで気付けなかったことに着付くきっかけを与えるかもしれない。

また、例えば、建築の中に一般的に痛みの要素と捉えられがちなネガティブなものが、遊びの要素へと変換された痕跡を見つけた時、可能性が開かれたような爽快な気分になることがあるかもしれない。その、痛みから遊びへの転回の痕跡と出会うこと自体も一つの悦びである。

人は建築で、遊びと出会う。

オノケン

Share
Published by
オノケン
Tags: 遊び

Recent Posts

インセクト プロトタイプの動画紹介

前回のストーリーに引き続き、イ…

22時間 ago

インセクト ストーリー ~生命の躍動感を建築に! 動画紹介

環境配慮型ブランド『インセクト…

22時間 ago

昨年作った建築模型

昨年作った模型の紹介。

1日 ago

某こども園 提案模型とCG

少し前に提案させていただいた某…

2日 ago

This website uses cookies.