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MEMO「廻遊」

「廻遊式住居」とは、このような日本の庭が築いてきた精神性と構成法を、現代の住居をつくるうえでの手法として考えたものである。決して広い住宅に限らず、小さな家であればあるほど、廻遊できるということは、空間に広がりと奥行きを持たせる。分岐点を設け、素材を転換し、あるいは立ち止まるべくシンボルを仕組む。例えば、極小住宅においてあえて大きなテーブルを置くことは、その周りを必然的に回るという行為が生まれ、生活にエンドレスな回路を組み込むことになる。
・・・住宅の平面においてこれまで無駄だと思われ切り捨てられてきた「間」の空間を意識的に操作すること、そしてその「間」を領域的にとらえ、住居を構成するそれぞれの室と絡めて構成すること。「廻遊式住居」というテーマは、近代の住宅がある意味で切り捨てざるを得なかった生活文化の見直しや、現代の家族関係の回復も含めたさまざまな要素を内包している。(竹原義二)

オノケン

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