Categories: 読書記録

B054 『あのひとが来て』

谷川 俊太郎、谷川 賢作 他 (2005/09/30)
マガジンハウス


3/14のお返しにとちょっと奮発して買ったもの。(CD付)

素晴らしい詩と
素晴らしい音楽と
素晴らしい絵。

豊かで深い。

『深い』というと、その奥に深い意味が隠されていると思いがちだがきっとそうではない。

意味などというものにはとうてい回収されない『深さ』でただ存在していること。
そういうものがあるということ。
そこにこそ美しさや豊かさが存在するということ。

そんなことを思い出させてくれる。

生きる意味とかなんとかいうものは一度忘れてしまえばいい。

そしてもう私は
私がどうでもいい
無言の中心に至るのに
自分の言葉は邪魔なんだ
『旅3arizona』より

身近なものをおそれるあまり
遠くを見すぎて
男の心は宇宙のようにスカスカだ
『猫に見られる』より

私のタマシイに
いつまでも時は満ちないのに
こいつのヒゲの先で
時は満ちる
私を待たずに
『猫を見る』より

時間に満ちた世界は
実際にこの本を手にとって
味わってください。

詩と音楽。もうこれだけで完成した世界に空間を与えるのが、私の仕事であった。山本容子・あとがきより

自分の感じていること、思っていること、考えていることを人に伝えたいなら、詩よりももっとそれに適した形式がある。私は詩をただそこに存在させたいだけだ、石ころのように、洟垂れ小僧のように、と言うと我ながら自分の傲慢にあきれるが。
しかし絵描きでも音楽家でも歌い手でも本音は同じではないだろうか。美しいとしかいえない何かが、目に触れ、耳に触れ、肌に触れてくる、それがARTと呼ばれるものであるはずだ。谷川俊太郎・あとがきより

オノケン

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オノケン

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